記事まとめ
- BMPCC4K(ブラックマジックデザイン社のシネマカメラ:Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K)のセンサーフレームレートが60fpsの場合の連続撮影時間を測定した
- センサーフレームレートとは‥
- スローモーション撮影をするための設定
- プロフェクトフレームレートを24fpsにし、センサーフレームレートを60fpsにして撮影すると、実際のスピードを40%まで下げたスローモーション撮影が可能となる
- この場合、60/24fpsと表示される
- 固定ビットレートの設定を3:1にした場合、フル充電バッテリー1個の連続撮影時間は、およそ31分〜36分であった
- バッテリーが残っているのに途中で撮影が停止した
- 4K DCI/「60/24fps」/固定ビットレート3:1の場合
- 純正バッテリー:36分
- 非純正バッテリーA
- 1回目:31分
- 2回目:31分
- 非純正バッテリーB:32分
ブラックマジックデザイン社のシネマカメラである、BMPCC4K(Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K)について、充電バッテリーを装着した場合の連続撮影時間を測定しました。
以前の記事では、4K DCI/60fps(プロジェクトフレームレート)/固定ビットレート3:1の設定における連続撮影時間を測定しました。
結果は、16分〜36分の連続撮影時間で、バッテリー切れではなく、バッテリーが残っているにも関わらず、途中で撮影が停止しました。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
今回の記事では、24fpsのプロジェクトフレームレートで、センサーフレームレートを60fpsとした場合の連続撮影時間を測定しました。
センサーフレームレートは、簡単にいうとスローモーション撮影を行うための設定です。
普通のカメラであれば、60fpsで撮影をし、編集時に24fpsで書き出し、スローモーションを作るという方法があると思います。
BMPCC4Kでは、撮影時に、簡単にスローモーション撮影モードに変更できます。
カメラ本体の「HFRボタン(高フレームレート)」を押すと、24fpsから60/24fpsというフレームレートに切り替わり、その状態で撮影ボタンを押すと、24fpsにおけるスローモーションが作成されます。
マニュアルには以下のように記載があります。
センサーフレームレートをプロジェクトフレームよりも高く設定すると、再生した際にスローモーションの効果が得られます。例えば、センサーフレームレートを60fpsで撮影し、プロジェクトフレームレート24fpsで再生すると、実際のスピードを40%まで下げたスローモーション効果が得られます。
プロジェクトフレームレートを60fpsで撮影するとヌルヌルした60fps動画が仕上がりますが、プロジェクトフレームレートを24fpsにし、センサーフレームレートを60fpsにして撮影すると、24fpsのスローモーション動画が仕上がるというわけです。
今回の記事では、このスローモーション撮影を連続でどのくらいの時間撮影できるか測定しました。
目次
1. 撮影環境および撮影方法
- 1-1. 撮影場所:自宅(室内)
- 1-2. バッテリー:純正バッテリー1個と非純正バッテリー2個
- 1-3. BMPCC4K設定内容①:4K DCI 他
- 1-4. BMPCC4K設定内容②:Blackmagic RAW 固定ビットレート 圧縮率(3:1)
1-1. 撮影場所
撮影は自宅(室内)で実施しました。
カメラレンズにはカバーをつけて、何も映らない状態にして撮影しました。
ちなみにカメラレンズは、「OLYMPUS マイクロフォーサーズレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 高倍率ズームレンズ」です。
1-2. バッテリー
バッテリーは、「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K」に付属していた純正バッテリーを1個と、別途購入した非純正バッテリー2個を使いました。
項目 | 容量 |
純正バッテリー | 7.4V 2000mAh 14.8Wh |
非純正バッテリーA | 7.2V 2040mAh 14.7Wh |
非純正バッテリーB |
非純正バッテリーは、「RAVPower バッテリーパック キャノン LP-E6 LP-E6N 互換バッテリー2個 + 充電器セット」という製品になります。
1-3. BMPCC4K設定内容①
BMPCC4Kの主な設定内容は下表のとおりです。
設定項目 | 設定 |
解像度 | 4K DCI(4096 × 2160) |
プロジェクトフレームレート | 24fps |
センサーフレームレート | 60fps |
ダイナミックレンジ | Film |
1-4. BMPCC4K設定内容②
連続撮影時間は、固定ビットレートの圧縮率3:1で実施しました。
固定ビットレートの圧縮率は12:1、8:1、5:1、3:1の4つから選択できるのですが、その中から一番高品質(圧縮率が少なく、色情報などの圧縮も少ないが、ファイル容量が大きくなる設定)の3:1にしました。
コーデック | 品質(固定ビットレート) |
Blackmagic RAW | 3:1 |
2. 連続撮影時間結果
BMPCC4Kの以下設定における連続撮影時間の結果は、下表のとおりです。
- 4K DCI/「60/24fps」
- Blackmagic RAWコーデック
- 固定ビットレート3:1
バッテリー | 60/24fps |
参考 | |
24fps |
60fps | ||
純正 | およそ36分 | 50分 | 36分 |
非純正A | 1回目:およそ31分 2回目:およそ31分 |
44分 | 31分 |
非純正B | およそ32分 | 46分 | 1回目:31分 2回目:16分 |
上表のとおり、60/24fpsの場合、31分〜36分の連続撮影時間でした。
プロジェクトフレームレートを60fpsにしたときと同じような時間でした。
また、撮影停止は、バッテリー切れではなく、バッテリーが残っているにも関わらず停止しました。
これも、プロジェクトフレームレートを60fpsに設定したときと同様です。
補足事項:「およそ」の理由
上表において、「およそ」を記載していますが、これは、スロモーション動画から実際の撮影時間を逆算したためです。
60/24fpsで撮影して出来上がったスローモーション動画は下表のような動画の長さになりました。
バッテリー | 60/24fps |
純正 | 1時間32分 |
非純正A | 1回目:1時間18分 2回目:1時間19分 |
非純正B | 1時間22分 |
上表のように、1時間20分前後の24fpsの動画ファイルになります。
しかし、実際の撮影時間は、上表の40%になるはずですので、それぞれを0.4で乗算し、それを連続撮影時間としました。
そのため、連続撮影時間の結果表には、「およそ」とつけています。
32分撮影した動画を、引き伸ばして、1時間20分のスローモーション動画が作られたイメージです。
3. 終わりに
スローモーション撮影を長時間(30分以上)連続で行う場合は、BMPCC4Kだと厳しいと思います。
私は、せいぜい1分程度だと思いますので、今回の測定結果にまったく不満はありません。
スローモーションの映像は、シネマライクな動画には必要な映像だと思ってます。
個人的に、「スローモーションはカッコいい」と感じるからです。
そのため、60/24fpsの撮影は今後、多くの場所で実施することになると思ってます。