記事まとめ
- 観光動画/風景動画を撮影した際、パンとチルトでカメラを動かして撮影したが、うまくいかないことが多かった
- パンのスピードが速いのか、キレイに見えない
- 暗い場所から明るい場所への撮影では、絞りがうまくできず、明るすぎるか暗すぎる
- 今後は、カメラを固定した、固定撮影を極めていきたい
私は2021年5月現在、ブラックマジックデザイン社のシネマカメラである「BMPCC4K」に、オリンパスの高倍率ズームレンズである「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を装着して、観光動画/風景動画を撮影しています。
2020年には、中国地方5県のさまざまな観光地で撮影を行いました。
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初心者の私は、本やネットで撮影のやり方を調べて撮影を行いました。
特に気をつけていたのは、「カメラを動かしすぎないこと」です。
「初心者はカメラを動かしすぎる」ようなので、私もできるだけ気をつけて撮影を行いました。
‥
‥
ただ、それは最初だけでした。
途中からカメラを動かしまくっていました!
私としては、きちんと理由があります。
観光地で撮影していると、広い範囲の映像を撮りたくなるのです。
ズームレンズを広角に合わせて撮影するのも良いのですが、映像が若干、婉曲するのが苦手で実施したくありません。
また、「高い場所」「離れた場所」を探して撮影するよう心がけていましたが、そういう場所が必ずあるわけではありません。
結果、パンやチルトの撮影を頻発するようになったわけです。
- パン撮影: 左右にカメラを動かす撮影方法
- チルト撮影: 上下(垂直方向)にカメラを動かす撮影方法
パンやチルトは、撮影スキルが初心者の私にとっては、動画編集時にうまく使えないことがあったり、映像が見にくくなることが多かったです。
今回の記事では、パンとチルトについての反省と、今後の撮影方法について検討したいと思います。
目次
1. パン撮影とチルト撮影の難しさ
観光地における撮影は、BMPCC4Kを手持ちで撮影しております。
最初は、できるだけ固定撮影を行なっていました。
下記の「広島城」の撮影においても、最初は固定撮影をしています。
ただ、途中からパンやチルトになっています。
また、広島のあとに、山口県、島根県、鳥取県の観光地に行き、2020年の最後は岡山県の「備中松山城」へ行ったのですが、その動画はほとんどがパン撮影になっていました。
とにかく、カメラが動きまくっています。
1-1. カメラを動かしてしまう理由
カメラを動かしていまう理由は、「観光地を広々と見せたい」と思うからです。
観光地で毎回感じることは、広々とした開放感です。
これを表現したいわけです。
また、「城」や「川」など、観光地にある撮影対象物は、長くて大きいものが多いです。
そういったものをすべてが映るように撮影するには、パンとチルトが便利です。
他の方法としては、遠く離れたところから撮影したり、高いところから撮影する方法もあります。
また、広角レンズで撮影することで、より広い範囲を撮影することが可能です。
私が使っている、オリンパスの高倍率ズームレンズである「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」は、広角の12mmから望遠の100mmまで、幅広い撮影が可能です。
私のレンズの特徴なのか、12mmで撮影すると、婉曲が強くなります。
映像が丸く曲がったように見えるわけですね。
こうすると、迫力が減ります。
そのため基本的に、25mmの標準で撮影しています。
ただ毎回、撮影対象物のすべてを、25mm標準のレンズに収めることができるわけではありません。
城を全部映そうと後ろに下がると、崖があることもありますし、限界があります。
そのため、パンとチルトを多用してしまいました。
1-2. パンとチルト撮影の難しさ
パンとチルトは悪いことではないのですが、初心者の私としては、スキル不足のため、4つの難しさを感じました。
- スピード感の難しさ
- 明るさ調整の難しさ
- 水平維持の難しさ
- カメラを動かす方向の難しさ
①スピード感が難しい
最初に感じた難しさは、「スピード感」です。
どのくらいの速度でパンやチルトをするのかを調整するのが難しいです。
以下の動画のパンですが、目が疲れませんでしょうか?
私は目が疲れました。
速度が一定でないのも気になります。
- カメラを動かすスピードを遅くすればもっと見やすくなるのかもしれません
- 24fpsで撮影していますが、30fpsや60fpsであれば、なめらかになるのかもしれません
- NDフィルターをつけて、絞りやシャッタースピードを調整するとなめらかになるかもしれません
いずれは上記のようなことを調べて、うまく撮影していけるようスキルアップしたいと思っています。
ただ、カメラ初心者として、いきなりすべてを学んでいくのは難しいと感じています。
②明るさの調整が難しい
明るい場所から暗い場所にパンをする際に、
・明るいところで明るさ調整をした方がいいのか
・暗いところで明るさ調整をした方がいいのか
悩みました。
ただ、どちらでやったとしても、撮影素材は扱いにくい素材になりました。
- 明るいところで明るさ調整した場合、暗い場所の映像が真っ暗になった
- 暗いところで明るさ調整した場合、明るい場所の映像が真っ白になった
私は、観光地での撮影は、「シャッタスピードは1/48」で、「絞りはその場所により手動設定」をしています。
明るさについては、「絞り」が影響しているのですが、明るいところと暗いところで、絞りをうまく調整できず、上記のようになりました。
「絞り」を自動にすることも可能だが‥
「絞り」を自動(オート)にすることもできます。
私は、ドライブ撮影については自動にしています。
ドライブでは、明るいところや暗いところ、トンネルの中など、さまざまな場所を通りますが、車載設置したカメラの設定は、運転中には簡単に変えられないからです。
観光地でも「絞り」を自動にすることもできますが、パンをすると、段階的に明るさが変わっていくのが映像に現れるため、そこが気になります。
動画閲覧者に、カメラの存在を意識させてしまうので、あまり良くないことだと思っています。
こういう意味で、パンとチルトは難しいと感じました。
なお、動画編集ソフトで、パンの明るいところと暗いところを、違和感ない明るさで、シームレスな映像にするのは、私にとってとても難しい作業だと考えています。
③水平を維持するのが難しい
手持ちで撮影しているためか、パンの始まりと終わり、途中についても、水平を維持するのは難しかったです。
カメラが重いため、ゆっくりパンをすると、手がプルプルしてきます。
パンやチルトをするなら、やはり、三脚を使うべきなのだと思っています。
ただ、三脚は、でこぼこの道路や砂浜で、3つの脚を毎回水平になるように調整するのが手間であることを経験しており、重いカメラを支えるような頑丈な三脚だとかなり重く、持ち運びが厳しいと感じています。
どうしても、映像を良いものにするためには、そのくらいの手間を許容すべきだと思っていますが、まずは手軽に撮影してでも、映像をよくできないか検討したいと思っています。
④右から左、左から右で、印象が変わる
私のパン撮影は、右から左と、左から右の、両方がありました。
個人的には、「左から右」が自然に見え、「右から左」は違和感を感じました。
これは、文字の影響もあるようです。
日本語は、横文字なら、左から右です。
英語もそうですね。
そのため、左から右が自然に見えるようです。
映画では、観覧者に違和感を感じさせるために、あえて右から左にパンするようなテクニックもあるようです。
パンやチルトを使う場合は、こういったことも意識して撮影しないといけないと思っています。
やはり上級者向けの撮影方法だと感じます。
1-3. 【改善】固定撮影を極める
いろいろ検討した結果、パンとチルトは使わず、固定撮影を極めていきたいと思います。
観光地で、パンやチルトをしたくても、我慢します。
今後、これからの数回の観光地での撮影は、固定撮影だけで良い映像を作れないか挑戦していきます。
なお、固定撮影で重要なことは「構図」だと思います。
どういう構図にして撮影すれば、自分が伝えたいことを表現できるかを考えながら撮影していきたいと思います。
写真撮影の本で学ぶ
「構図」の勉強については、以下の本を使うことにします。
「写真」撮影の構図は「動画」撮影で使えるのか?
動画撮影をするので、動画撮影における構図の本を使った方がいいのではないかと思いましたが、写真撮影の本を利用します。
正確には、動画撮影の構図の本として、以前に以下の本を読んでいます。
上記の本は、構図だけでなく、「映画」を撮影するための心構えのようなものを学びました。
例えば、パンをするのは理由があるはずだ、という話が勉強になりました。
パンをするというのは、パンの終わった場所に、「注目させたい」という理由があるべきです。
例えば映画において、パンの終わりに一軒の家が登場したら、次のシーンはその家の中のシーンが始まる、といったような使い方です。
適当にカッコいいからパンをしていると、動画閲覧者が混乱するという話でした。
このように、構図も撮影方法も、映画の中のシーンで、それでないといけない理由があるということです。
上記の本はいろいろ学べることが多いのですが、基本的に映画の構図の話が多く、「人」を撮影するときの話が多かったです。
私のように、観光地を撮影する場合は、違う本がよいと思い、先の写真の構図の本を選びました。
写真と動画の違い
パンやチルトは、写真撮影ではできない、動画撮影に特有の技だと思います。
そのため、動画撮影においては、パンとチルトを使う方がいいと思います。
ただ、固定撮影においても、写真と動画の違いはあると思います。
それは、「動き」です。
対象物がまったく動いていないのであれば、写真と動画はそれほど変わらないと思います。
動画は音楽や音がついているので、写真とは違いますが、構図という意味では同じだと思います。
ただ、「風で葉っぱが揺れている」「水が流れている」というような、対象物が動いている場合は、写真とは違い、動画は、特別な表現ができると思います。
そのため、写真で構図を学んで、動画に活かすことは可能だと感じています。
写真のような美しい構図で、対象物が動いていれば、美しい動画になると思っています。
なお、「風で葉っぱが揺れている」ことを表現したいのに、カメラを動かしてしまうと、葉っぱの揺れがカメラの揺れに邪魔され、うまく表現できなくなると思っています。
そういった意味でも、しっかりと固定した撮影は、いろいろな表現に使える極めるべき撮影方法だと思います。
固定撮影ばかりだと飽きる?
私が懸念しているのは、固定撮影ばかりだと見ている人が飽きるような、面白くない動画になるのではないかということです。
観光地の撮影においては、撮影対象物が静止しているものもたくさんあります。
- 城
- 橋
そういったものを固定撮影していると、「写真でいいじゃん」と思われるかもしれません。
この辺りは、動画編集(音楽)や構図、撮影カットの並べ方などで、工夫して楽しめるようにしていきます。
いずれは、壁にぶち当たると思っています。
その頃には、固定撮影のスキルが上がっているはずなので、そこからは、パンとチルトのスキルアップに移ろうと思います。
まずは、固定撮影に集中します。
2. 終わりに
「パンとチルトは絶対に使わない」という映画監督もいるのかもしれません。
私はそこまでこだわることはしない予定です。
先に説明したとおり、「注目させたい対象物がある場合に、パンの終わりに映す」というテクニックは使っていきたいです。
また、対象物の全体像を見せたい時に、どうしても使わないといけないときがあると思います。
このように、「どうしても使わないといけない」と感じたときのみに、使うようにしたいです。
それまでは、固定撮影でしっかり構図を考えて撮影します。
すぐに「パンを使おう」と考えないように、まずは固定撮影でしっかり表現できるようにスキルアップを図ります。
そのため、最初は、「固定撮影しかしない」という制約のもと、撮影したいと思います。