
【悩み/不安】 | 個人事業主として、どのような事業をすればいいか分からない... |
【解決策】 | 一石三鳥のメリットがある事業を考えてみよう! |
「どのような事業をすればいいのだろう?」
個人事業主として独立した後は、必ず、何かしらの事業を行わないといけません。
事業とは簡単に言うと、「世間の役に立ち、その見返りに、お金をもらえる仕組み」だと思います。
世の中には多くのサービスや製品がありますが、それぞれが、誰かの役に立っています。
大前提として、人の役に立つことを考えないといけません。
事業は、個人事業主として必ず考え出さないといけないですが、一番難しいことだと思っています。
そのためこれからも、このような、事業を考え出す(創出する/0から1を考え出す)ためのヒントとなりそうな記事を書いていく予定です。
今回は、「起業の天才!(著者:大西康之)」という本を読んでヒントを見つけましたので紹介します。
「起業の天才!(著者:大西康之)」は、就職サイト「リクナビ」を運営する会社である、リクルートの創業物語です。
この本で見つけた解決策は、「一石三鳥のメリットがある事業を考えてみよう!」です。
なお、「起業の天才!(著者:大西康之)」は、個人事業主にとって、やる気を高めてくれる良書です。
大学新聞における小さな広告業から、大企業であるリクルートを作り上げていった物語が語られています。
私たち個人事業主も、同じように大きくしていけるのではないかと、気分を盛り上げてくれるような本でした。
やる気が下がっている人は、ぜひ一読してみてください。
目次
1)一石三鳥のメリットがある事業を考えてみよう
「起業の天才!(著者:大西康之)」から、リクルートの創業者である江副浩正氏のエピソードを紹介します。
1-1)土地の購入に一石三鳥のメリットを考えていた
「たとえばリクルートの創業期、鹿児島に広大な土地を買った。
表向きの理由は、社員が自然と触れ合える研修所の建設だが、二つの裏の意味があった。
一つは政府がそのあたりに石油備蓄施設を建設することによる土地の値上がり。
もう一つは情報誌の印刷費など運転資金を銀行から借りる時の担保。(省略)」「起業の天才!(著者:大西康之)」
「土地を購入していくことが、個人事業主の事業となるか」については置いておきます。
土地購入のような莫大な資金が必要なことを、個人事業主がポンポンと実施できると思っていません。
それよりも考え方です。
リクルートを創業した江副氏は、1つの行為で2つ以上の目的を達成することに喜びを感じる人だったようです。
「江副は多面的な人間で、一つの行為で二つ、三つの目的を達成することに喜びを見出すタイプだ。
一つの行為で一つの目的を果たすだけでは、彼には面白くない」「起業の天才!(著者:大西康之)」
私たち個人事業主は、自分自身で事業を考え出していく必要がありますが、その際、一石三鳥のメリットがあるものを考えてみてはいかがでしょうか。
一石三鳥の良いところ
この考え方の良いところは、「二つのメリットが実現できなくても、もう一つのメリットが残っていること」だと思います。
考え出した事業が成功するか否かは、誰にも分かりません。
成功を信じて、作り上げるしかありません。
長時間、苦労して作ることになると思いますが、それが、世間(お客さま)にヒットするかどうかは決まっておらず、運の要素もあるでしょう。
そのようなとき、上記のように、3つのメリットを考えて実施すれば、どれか一つのメリットは享受できるかもしれません。
江副氏の例で言うと、①土地が値上がりせず、②銀行のための担保として機能しない土地となっても、③社員の研修所としてのメリットだけは生き残ります。
土地購入が無駄に終わることがなくなります。
このように、一つの事業に対し、一つのメリットとせず、複数のメリットを考えてみるのがよいと思いました。
私の例
私が現在運営している本ブログは、「個人事業主が一人で生き続けるため」のヒントとなる情報を集めることを目的としています。
この個人事業主の中には、「私自身」も含まれています。
つまり、本ブログは、私にとっても役に立つ情報が書き込まれていきます。
さらに、ブログには広告を貼っているため、収入源にもなっています。
今のところ、2つのメリットですが、どちらかのメリットがなくなっても、片方のメリットが残ります。
例えば、ブログに広告が貼れなくなって、収入源にならないブログになったとします。
それでも、それまで書き続けた情報は残りますので、その情報を、別の新しい事業に活用していけばいいと考えています。
1つの記事を書くのに数時間かかっておりますが、その時間は無駄にはなりません。
このように、1つの事業に対して、自分にとって、2つ以上のメリットを考えておくと良いと思いました。
1-2)スーパーコンピューターの購入に一石三鳥のメリットを考えていた
「(省略)最高の情報サービス会社を目指している我が社は、理系の優秀な人材が喉から手が出るほど欲しい。
クレイのスーパーコンピューターを2台も持っている会社はそうそうありませんから、これでコンピューター好きの学生が採用できます。
それを考えれば安いものです」
(省略)
もちろん、客寄せだけが狙いではない。
江副は米航空宇宙産業大手のボーイングが自社の空力シミュレーションのために買ったスーパーコンピューターを、空き時間に他社にレンタルしていることを知っていた。
RCSで元は取れ、真藤と中曽根に恩を売りおまけに理系の学生が寄ってくる。
江副の大好きな一石三鳥だった。「起業の天才!(著者:大西康之)」
上記引用は、スーパーコンピューターを購入した時のエピソードです。
「RCS」とは、リモート・コンピューティング・サービスのことで、①コンピューターの時間貸しのことです。
まずこれで、購入したスーパーコンピューターを活用できます。
次に、「真藤と中曽根」とは、それぞれ、以下のような人物です。
真藤恒
電電公社最後の総裁にしてNTT初代社長。(省略)
中曽根康弘
総理大臣。(省略)「起業の天才!(著者:大西康之)」
当時、日米貿易が日本の圧倒的な輸出超過になっていたようです。
そのため、首相であった中曽根氏の関係ルートから以下のような話があったようです。
「日米経済摩擦のおり、米国製のスーパーコンピューターを買ってくれるのはありがたい。
まずNTTが買い、それをリクルートに引き渡す形にしてもらえれば、なお良い」「起業の天才!(著者:大西康之)」
上記の流れで購入することで、「真藤と中曽根」両者に②恩を売れた、ということです。
そして最後に、③理系の優秀な学生を引き寄せる。
これら3つのメリットを考えて、スーパーコンピューターを購入しました。
このように、リクルートという大企業を作り上げた創業者は、一石三鳥の考え方をさまざまなところで活用していたのだと思われます。
2)個人事業主の戦略
私は「個人事業主が、大企業/中小企業に負けず、生き続けるための戦略」を絶えず考えています。
そのため、記事で取り上げた内容について、「大企業/中小企業がどういう戦略を取っていくか」を予想し、それに対して、「個人事業主がどういう戦略を取るべきか」を考えたいと思います。
2-1)大企業/中小企業における活用
【大企業】 | 一石三鳥を狙ってくるだろう |
【中小企業】 | 一石三鳥を狙ってくるだろう |
【個人事業主】 | 一石三鳥で考えてみよう |
本記事の趣旨である、「一石三鳥を考えてみよう」に関しては、大企業/中小企業に関わらず、みながメリットがある考え方だと思います。
いくつかのメリットを考えておけば、1つのメリットが享受できなくなっても他のメリットが残り、それまでの投資(労力や金)が無駄になりません。
そのため、できる限り、進んで取り入れた方がよい考え方だと思ってます。
大企業/中小企業における弱点
一石三鳥の方が良いと思いますが、大企業/中小企業はそのような考えをしないかもしれません。
なぜなら、大企業/中小企業は、個人事業主よりも、労働力や資金があるからです。
事業が失敗したらすぐに捨てて、新しい事業を始めればいい。
こういった企業であれば、1つの事業に対して、2つ以上のメリットを求めなくてもいいと考えるかもしれません。
この場合、1つのメリットを掲げ、それが得られなかったら、すぐに撤退するはずです。
ここを弱点ポイントとします。
2-2)【結論】個人事業主は一石三鳥を考えてみよう
私たち個人事業主は基本的に一人で事業を進めていきます。
そのため、事業に費やす時間と労力が限られており、1つの事業しか実施できないことが多いです。
このようなとき、その事業のメリットが1つしかなく、その結果が得られなければ、今までのことが全て無駄になってしまいます。
そこから他の事業を開始する余力もありません。
一石三鳥を考えていれば、どれか1つのメリットだけ残る可能性があります。
さらに、上記のとおり、大企業/中小企業は、撤退するかもしれないので、ライバルがいない独占事業になるかもしれません。
そういった可能性を高めるため、一つの事業に対し、複数のメリットが生じるような事業を考えることが良い戦略になると考えます。
3)終わりに
「1つ1つの事業は、それぞれ、特定のターゲット顧客を考えるべき」ということをよく聞きます。
1つのサービス/製品を、「男性も女性も」「20代も30台も」「大人も子どもも」「日本人も外国人も」のように、誰でも役に立つように作ると、「扱いにくい」「自分の欲しい機能の効果が弱い」「機能が探しにくい」というような、誰にも望まれないサービス/製品になるからです。
一石三鳥はこういうことを言っているわけではありません。
「顧客」にとってのメリットではなく、自分自身に対してのメリットのことです。
私のブログの例で言うと、1つ1つの記事はそれぞれのターゲット層(個人事業主という顧客層)に向けて書いています。
記事については、「顧客」に対するメリットを考えているということです。
ただ、ブログの運営自体については、「自分自身にも役に立つ情報がまとめられていく」「広告収入が入る」という自分自身に対してのメリットを考えています。
このことは、きちんと分けて考えるようにしたいと思います。
なお、本記事と同じような悩みの解決策を、別の本などで見つけた場合は、別の記事にまとめていく予定です。
本記事を読んで、「これだ!」と思えなかった場合は、別の記事も読んでみてください。