
【悩み/不安】 | 個人事業主は独りだから、上司などの相談相手がいない... |
【解決策】 | 本に頼ろう! |
「この事業はどうやって進めていけばいいのだろう?」
「この事業に関する情報ってどこにあるんだろう?」
個人事業主として独立した後、事業を進めていくにあたり、上記のような悩みを持っている人は少なくないと思います。
企業に属していれば、上司や先輩、同僚などに相談することができたでしょう。
ただ、個人事業主は独りです。
孤独です。
相談相手がいないという悩みは、どのようにして解決すればいいのでしょうか?
今回、就職サイト「リクナビ」を運営する会社「リクルート」の創業物語である、「起業の天才!(著者:大西康之)」という本を読み、悩み解決のためのヒントを見つけました。
解決策は、「本に頼ろう!」です。
「本から学び、純粋に実行していけばいい」と教わりました。
本記事では、「起業の天才!(著者:大西康之)」に書かれていたエピソードを紹介します。
なお、「起業の天才!(著者:大西康之)」は、個人事業主にとって、やる気を高めてくれる良書です。
大学新聞における小さな広告業から、大企業であるリクルートを作り上げていった物語が語られています。
私たち個人事業主も、同じように大きくしていけるのではないかと、気分を盛り上げてくれるような本でした。
やる気が下がっている人は、ぜひ一読してみてください。
目次
1)本から学ぼう
「起業の天才!(著者:大西康之)」から、リクルートの創業者である江副浩正氏のエピソードを紹介します。
1-1)経営について本から学んだ
大学を出てすぐに自分の会社をつくった江副さんは、(省略)、「経営者とはなにか」がよく分からなかった。
「自分は経営が分かっていない」という欠乏感の塊でした。
経営者とはなにか、経営者ならなにをすべきかを経営学者のピーター・ドラッカーの本から懸命に学び、純粋にそれを実行したのです。「起業の天才!(著者:大西康之)」
私たち個人事業主は、「経営」というものを学ぶ必要はないかもしれません。
組織を作ることや部下を管理することは不要ですからね。
ただ、事業を進めていくにあたり、必ず壁にぶつかります。
そのような時、上司や先輩など、相談する相手がいません。
同じように、リクルートを創業した江副氏も、創業当初、相談相手はいませんでした。
大学新聞のアルバイトから、「大学広告」の社長になった江副氏には「上司」がいない。
「起業の天才!(著者:大西康之)」
経営をしていくにあたり、どう進めていけばいいか分からない。
そこで頼ったのが、ピーター・ドラッカーという経営学者の本でした。
数学教師の息子に生まれた江副は、誰にも経営やビジネス・マナーを教わっていない。
祖父は佐賀の公務員であり、知り合いに商家の人間はいない。
江副自身も大学を卒業してすぐ起業したのでサラリーマンの経験がない。会社を立ち上げて間もないころ、マミヤ光機(現・マミヤオーピー)の創業一族で、同級生だった菅原茂世に勧められてピーター・ドラッカーの『現代の経営』を読んだ。
たちまち江副は、マネジメントの神髄を説くドラッカーを「書中の師」と仰ぐようになる。
自分が作った小さな会社で、師が唱える「近代経営のマネジメント」を純粋に実践した。「起業の天才!(著者:大西康之)」
なお、上記の引用文のとおり、『現代の経営』という本になります。
①大企業が自社の事業に参入してきた時のエピソード
<リーダー的な地位にある不可欠な機関としてのマネジメントの出現こそ、人間社会の歴史における画期的な出来事である>
<一本の草しか育たなかったところに二本の草を育てる者こそ、人類の福祉に真に貢献する者である>前述したドラッカーのこの言葉に出会った瞬間、江副は自分も経営者になろうと思った。
ドラッカーを「書中の師」と仰ぎ、あちこちに線を引いた付箋だらけの『現代の経営』を持ち歩いた。ドラッカーは企業の戦略を「総力戦略」「ゲリラ戦略」「ニッチ戦略」「顧客価値創造戦略」の四つに分けて定義していた。
巨艦ダイヤモンド社が攻めてきた今こそ「総力戦略のときだ」と江副は腹を括った。
総力戦略とは、新しい市場や産業を創造し、最初から最後まで業界でトップの地位を得て最大の報酬を得る戦略だ。
あらゆる戦略の中でもっともギャンブル性が高く、一切の失敗は許されない。
この戦略においては<まずまずの成功や惜しい失敗はない>とドラッカーは説いている。
生きるか死ぬかの戦略だがこれしか方法はない。ここで負けたら、日本リクルートセンターは死ぬ。
「起業の天才!(著者:大西康之)」
リクルートが実施していた事業に、大企業であるダイヤモンド社が参入すると分かった時のエピソードです。
その際、江副氏は、ドラッカーの本に書かれていた戦略を参考にしたようです。
結果、リクルートは勝つことができました。
注意
上記引用文では、『現代の経営』に、四つの戦略が書かれているような記述ですが、私が読む限り、そのような記述はありません。
そのため、江副氏は、ドラッカーの他の本も読んでいたのではないかと思います。
「総力戦略」「ゲリラ戦略」「ニッチ戦略」「顧客価値創造戦略」の四つの戦略は、以下の2つの本に書かれていましたので、詳しく知りたい方は一読ください。
- イノベーションと企業家精神
- チェンジ・リーダーの条件
このように、経営に関する相談ができない江副氏は、本に頼って、戦略を考えていました。
私たち個人事業主は、江副氏と違い、同僚も部下もいません。
ただ、何か困難にぶつかった時は、「本から学び実践することで、乗り越えられるはずだ!」と強く思えるようになりました。
②ピーター・ドラッカーの本
ちなみに本書で出てきた『現代の経営』を読んでみましたが、4分の3くらいは、組織論(部下の管理など)でした。
そのため、個人事業主の私たちとしては、少し無駄の多い本になりそうです。
私が、個人事業主向けにドラッカーの本を紹介するなら、以下の2冊が良いと思っています。
組織論が少なく、個人事業主にも役立ちそうな考え方が学べます。
- 創造する経営者(事業を考え出すヒントなどが学べる)
- プロフェッショナルの条件(自己啓発:時間管理の大切さなどが学べる)
1-2)会社の始め方も本から学んだ
江副は、1960年(昭和35年)3月31日、23歳の時に「大学新聞広告社」を創業。
その年の10月、本屋で『株式会社のつくり方』という本を買って、自分で定款を書いた。「起業の天才!(著者:大西康之)」
私も会社を辞め、個人事業主を開始するにあたり、開業届の提出を、インターネットで調べながら実施しました。
今なら、本に頼るのではなく、インターネットに頼るだけで、色々(定款を書いたり)できるかもしれませんね。
人に聞くことも大事だと思いますが、私たち個人事業主のように、相談相手がそばにいない場合は、インターネットや本に頼るべきでしょう。
悩んで前に進まないよりは、本を読んで、前に進む。
「リクルートという大企業の創業者も、最初は本から学び進めていった」というエピソードは、私たち個人事業主にとって、大変心強いエピソードですね。
2)個人事業主の戦略
私は「個人事業主が、大企業/中小企業に負けず、生き続けるための戦略」を絶えず考えています。
そのため、記事で取り上げた内容について、「大企業/中小企業がどういう戦略を取っていくか」を予想し、それに対して、「個人事業主がどういう戦略を取るべきか」を考えたいと思います。
2-1)大企業/中小企業における活用
【大企業】 | 本から学んでいるだろう |
【中小企業】 | 本から学んでいるだろう |
【個人事業主】 | 本から学ぼう |
本記事の趣旨である、「本から学び、純粋に実行すること」に関しては、大企業/中小企業に関わらず、みなが実施していることだと思っています。
なお、個人事業主は特に、相談相手がいないため、強く実施すべきことだと思います。
大企業/中小企業における弱点
ただし、企業においては、上司や先輩などが、過去の経験などからアドバイスできる状況にあります。
そのため、相談したい事象が発生しても、本などに頼らずに、解決に向かっていくかもしれません。
これが習慣化した企業においては、本で調べたり、新しい情報を得ようとしない社員が増え、過去の経験でしか対応できない企業になっている可能性もあります。
「調べるより誰かに聞いた方が早い。」
私が企業に属していたときによく聞いた言葉です。
正しいときもありますが、調べる習慣がつかず、能力不足の社員が増えていく危険もあります。
2-2)【結論】個人事業主こそ本から学ぼう
自身のライバル企業が、上記のような弱点に陥っているとは限りませんが、ライバル企業に勝つために、私たち個人事業主は、積極的に本から学ぶべきだと思います。
そもそも相談相手がいないわけなので、常に、最新の解決策(マーケティング理論など)や技術情報などを頭に入れておきたいところです。
何か不都合が起こった時に、素早く対処するには、自分の知識(および経験)に頼るしかないのが、個人事業主です。
そのため、少しずつでもいいので、本から学ぶ習慣をつけていきたいですね。
3)終わりに
重要な書類などの作成については、専門家にお金を払って依頼(相談)した方がよいこともあると思います。
ただ、そういった専門家が、書類の書き方などを本にまとめていることも多いです。
できるだけお金を使わないように考えているのであれば、江副氏のように、本から学び自身で書いてみるのも良いかと思います。
私もまず、自分でやる癖をつけたいと思ってます。
なお、本記事と同じような悩みの解決策を、別の本などで見つけた場合は、別の記事にまとめていく予定です。
本記事を読んで、「これだ!」と思えなかった場合は、別の記事も読んでみてください。